道祖神様の下着は何色か。

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令和遣欧使節-①

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スペインへ発つ朝は困難の連続であった。昨晩の台風により、成田空港へ向かう電車及びバスは運休であり、仕方なく東京駅で空港へ向かいたい人を連れ相乗りで向かうも大渋滞であった。

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結果として、その日のフライトに間に合わず人生初の空港にて宿泊することとなった。

 

翌朝、航空会社との長く苦しい交渉が始まった。チケットを航空会社から直接ではなく、エアトリで購入していたため、振り替えも後回しにされた。もう、諦めようとしたその時、希望の光が成田空港へと差した。

 

登場予定の顧客の貨物が積載できず、10席空いたとのことであった。

この時間、フライトまで残り10分。

 

絶望とも思えたが、神は見捨ててないようだ。

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深夜のアブダビからバルセロナへと向かい、到着したの明け方であった。

バルセロナ市街に降り立つと街中が安息日のようにすべての店が閉まっていた。

 

話を聞くとカタルーニャ州独立運動を行う祭りがあるため、終日ほとんどの店が休業しているとのことであった。幸い、サグラダファミリアは開いていたので、入場しようにも新たな試練が訪れる。

 

それは手荷物検査の際に日本から持ってきた味の素が違法薬物と勘違いされ、取り調べをうけることになった。

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このパンダのかわいい入れ物に入った白い結晶片がおそらく覚せい剤か何かに見えたのであろう。必死に英語やスペイン語で調味料だと伝えるも警備員は一向に聞く耳をもってくれない。もはや、これまでか。海外に行くだけで、これほどまで苦労したのに、たかが調味料1つで海外でお縄になるなんて思いもしなかったのに。すべてを諦めかけたその瞬間。

 

またもや、神は存在したのである。他の警備員が味の素を見て、私を疑う警備員に対して、スペイン語で代わりに事細かく説明してくれたのである。警備員に怪しいものを持ってくるなと怒られ、入場を許された。

 

サグラダファミリアは1882年から着工され、いまだに完成していないカタロニア・モダニズムの著名な作品である。ガウディの死後の1936年に始まったスペイン内戦により、ガウディが残した設計図や模型、ガウディの構想に基づき弟子たちが作成した資料のほとんどが散逸した。これによりガウディの構想を完全に実現することが不可能となり、サグラダ・ファミリアの建造を続けるべきかという議論があったが、職人による口伝えや、外観の大まかなデッサンなど残されたわずかな資料を元に、その時代の建築家がガウディの設計構想を推測するといった形で現在も建設が行われている。

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これは、イエスの誕生を表す生誕のファサードである。ここでは、キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって表現されている。3つの門によって構成され、左門が父ヨセフ、中央門がイエス、右門が母マリアを象徴している。

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こちらは受難のファサードと呼ばれ、イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの有名な場面が彫刻されている。東側とは全く異なり、現代彫刻でイエスの受難が表現されており、左下の最後の晩餐から右上のイエスの埋葬まで「S」の字を逆になぞるように彫刻が配置されている。

 

かつては、完成まで300年かかると言われていたが、スペインの経済成長や拝観料収入により進捗が加速している。さらに、3D構造解析技術や3Dプリンタによるシミュレーションによる成果が著しく。2026年に完成とかつての300年から144年で完成することになる。

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教会内部は木漏れ日が差し込むような巨大な森を想像し設計され、明るく色鮮やかな空間で陽光だけで、これほどまで明るいのかと非常に驚いた。

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サグラダ・ファミリアは民族のシンボル、地域のランドマークでもあるため、しばしば教会付近がカタルーニャ独立運動のデモ隊が教会に集結していた。

 

警備員たちから緊張感が非常に伝わり、多くの観光客が入ってき始め、居心地も悪くなったので、バルセロナ市街を回ることにした。